鍋の季節。本物の土鍋で楽しもう。
寒い日が続くこの時期の食卓に欠かせないもの。
それは鍋料理です。
ただ今回お話するのはモツ、あんこう、鮭といった鍋の主役ではありません。
鍋料理に欠かすことのできない名脇役、土鍋です。
それも一般にスーパー、量販店等で多く売られている、土にペタライトという鉱石をまぜた材料から作られている、熱に強く、お手頃なお値段のものではなく、ペタライトを混ぜることなく焼き上げた伊賀焼の土鍋です。
伊賀焼の土鍋の特徴は独特の透明感とツヤ、そして使えば使うほど増す味わいです。
この伊賀焼の土鍋独特の透明感やツヤは釉薬(うわぐすり)によって創りだされます。
土にペタライトをまぜて作る一般の土鍋では、釉薬の兼ね合いから、このツヤはだすことができないのです。
また、余計なものを混ぜない伊賀の土鍋は熱で鍋が収縮します。
そのため、使い込むほど表面に網目のような細かいヒビがあらわれ、独特の味わいを醸し出していくのです。
値段は一般的に売られている土鍋よりも若干高くなりますが、5,000~20,000円程度と決して高くはありません。
ただ、この土鍋を扱うには、使い初めにはおかゆを炊いて目止めをし、使った後は急激に冷やさず、しっかり乾燥させるなど、愛情を込めて扱わないといけません。
本物の土鍋を愛着のある道具として、育てていく。
そこに手間暇をかける。
そうして育てあげた自分だけの土鍋。
この冬はその相棒とともに、鍋料理を少し贅沢に楽しんではいかがでしょうか。
(photo:https://pixta.jp/)