日本で生まれる、至高の味わい「貴腐ワイン」とは・・・
世界最高峰のデザートワインといえば、ボルドーのソーテルヌが生み出すシャトーディケム。葡萄につくボトリティスシネリア菌が良い方向へ作用し、高貴な甘さを持つ白ワインを生み出します。このワインを“貴腐ワイン”と呼びますが、実はボルドーだけでなく世界各地で作られています。
貴腐ワインの原料である貴腐ぶどうが生まれる条件は厳しく、こと日本に限っては不可能とすらいわれていました。そんな日本でも貴腐ワインを作るワイナリーが存在しました。ここでは、純国産の貴腐ワインを紹介します。
長野県塩尻にあるワイナリー「林農園」さんの「五一わいん」。メルロを中心に、ヨーロッパ系ぶどうを栽培する由緒正しきワイナリーです。リースニングやセミヨンなどに見られる貴腐化が、何とシャルドネに発生したのです。それが1993年のこと。
貴腐ワイン造り自体が珍しい国内で、全てが手探りで始ったのです。貴腐ぶどうは一つ一粒を手摘みせねばならず、さらに専用プレス機など、通常のワインとは全く違う工程で作られます。そして2年間の月日をかけ、日本のみならず世界的に珍しいシャルドネ種の貴腐ワインが誕生したのです。
貴腐ぶどうは狙って作れるものではありません。自然頼みのため、結果的に生産量は酷く少なくなります。とはいえ、現在ではセミヨンにも貴腐ぶどうが出来ているため、少量ではありますが貴腐ぶどうは作られています。はちみつのような甘さ、とろける舌触りのデザートワイン。
全てが至高の味わいである、「五一わいん」の貴腐ワインを一度試されてみてはいかがでしょうか。
■五一わいんの林農園公式ホームページ 長野県塩尻市(公式HP)
(photo:http://www.photo-ac.com/)